アパート経営の教科書

中古アパートの想定利回りはどう計算される?

中古アパートの場合、想定利回りは入居している部屋は現在の賃料、入居者がいない部屋は募集賃料で計算されることが多いです。しかし、物件に住んでいる人の賃料に大きな差があった場合はどうでしょうか?ここでは、中古アパートの利回り計算の問題点を解説。

アパート経営の教科書

想定利回りは本当に正しいか?

例えば以下のようなアパートがあったと仮定します。
全戸4室、内3室が入居済み。1号室・2号室は1階、3号室・4号室は2階。希望売値:2000万円。
1号室:済み:32,000円(H22年1月入居)
2号室:空き:
3号室:済み:40,000円(H20年8月入居)
4号室:済み:48,000円(H16年3月入居)

以上の状況での利回り計算をする場合ですが、上記のような物件の場合「空き部屋の想定家賃」という問題と「入居済み案件が退去後の家賃」という二つの問題があります。

空き部屋の想定家賃

例えば、空き部屋の2号室の家賃はいくらで計算されるのでしょうか?

32,000円の場合:年間賃料収入182.4万円 利回り:9.12%
40,000円の場合:年間賃料収入192.0万円 利回り:9.6%
48,000円の場合:年間賃料収入201.6万円 利回り:10.08%

以上のように、空室をいくらで計算するのかで想定される利回りはおよそ1%もの差異が生じることになります。こうした利回りを見る場合、空き物件は妥当な金額(賃料)で計算されているのかをチェックする必要があります。

入居済み案件が退去後の家賃

実は例示している物件の賃料は年を経過するごとに安くなっているのです。H16年の入居者は4.8万円、H18年の入居者は4.0万円、H22年の入居者は3.2万円となっています。つまり、建物の劣化などにより、高い賃料では人が入らずに値下げしている可能性が高いのです。この場合、空室となっている賃料はもちろん、現在埋まっている3号室、4号室が退去した場合、次に入居する人の賃料はおそらく値下げしないと入ってくれない可能性があります。

仮に、全ての部屋の賃料が最低賃料である1号室と同額である3.2万円になった場合

調整後年間賃料収入153.6万円 利回り:7.68%

以上のように大幅に小さくなってしまいます。このように、中古物件などを利回りで比較しようという場合、その中身までしっかりと精査する必要があります。